耐震診断

もしもの時のためにリスクマネジメント

震度「7」の地震が今起こったら?

日本は世界の先進国の中で、自然災害が発生するリスクの最も高い国と言われています。
台風や集中豪雨などによる風水害もさることながら、兵庫県南部地震(1995年)以来、新潟県中越地震(2004年)、東北地方太平洋沖地震(2011年)、熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018年)など全国各地で震度7の地震が発生し、多くの物的・人的被害が生じています。

わが国では全国いたる所に既知あるいは未知の活断層が存在し、福岡の警固断層の危険性も最近発表されるなど、震度7強程度の大地震がいつ、どこで発生してもおかしくない状況にあります。

建物だけではありません。尊い人命が失われることもある地震。

■ 熊本県地震被害状況

  • 発生時刻:2016年(平成28年)4月16日 1時25分
  • マグニチュード:7.3
  • 震度:7
  • 死者:216人
  • 住家全壊:8,666棟
  • 半壊:33,526棟
  • 一部破損:145,850棟
  • 半焼:89棟

熊本県「平成28年熊本地震等に係る被害状況について(第228報)」より

 

地震被害と耐震基準

現在の耐震基準は、1981年(昭和56年)の基準法改正に伴って導入された「新耐震設計法」に基づいていますが、兵庫県南部地震(阪神・淡路大
震災)では、この耐震基準が導入された以前に建てられた建築物の多くに大きな被害が生じました。
※[(社)建築業協会「耐震改修による安全・安心な街づくり―建築業協会は地震に強い建築物の普及に貢献します―報告書及びパンフレット」を元に一部加筆]

建設時期と地震被害状況(JR三宮駅近辺における全数調査)

耐震改修促進法(平成17年改正)

既存不適格建築物※1の耐震化をさらに促進するため、平成17年に「耐震改修促進法」が改正され、翌年、平成18年1月26日に施行されました。

計画的な耐震化の推進

  • 国は基本方針を作成し、地方公共団体は耐震促進計画を作成

支援措置の拡充

  • 耐震改修計画の認定対象に一定の改築を伴う耐震改修工事等を追加(耐震関係規定以外の不適格事項が適用されない、という建築基準法の特例が受けられる)
  • 耐震改修支援センターによる耐震改修に係る情報提供等

建築物に対する指導等の強化

  • 道路を閉塞させる住宅等に指導、助言を実施
  • 地方公共団体による指示等の対象に学校、老人ホーム等を追加(従来の指示等は、百貨店、劇場等不特定多数利用の建築物が対象)
  • 地方公共団体の指示に従わない特定建築物を公表
  • 倒壊の危険性の高い特定建築物については建築基準法により改修を命令

​※(国土交通省住宅局建築指導課編集「平成18年1月26日施行 改正 建築物の耐震改修の促進に関する法律・同施行令等の解説」㈱ぎょうせいより)

特に1980年(昭和55年)以前に建てられた建物は耐震診断が必要です。
【詳しくは1981年(昭和56年)5月31日以前に確認申請を受けた建物】

特定建物一覧

あなたの建物は?

用途

指導・助言の対象
となる規模要件
指示・立入検査対象
となる規模要件
学校 小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、聾学校若しくは養護学 階数2以上かつ1,000㎡以上
※屋内運動場の面積を含む
階数2以上かつ1,500㎡以上
※屋内運動場の面積を含む
上記以外の学校 階数3以上かつ1,000㎡以上
体育館(一般公共の用に供されるもの) 階数1以上かつ1,000㎡以上 階数1以上かつ2,000㎡以上
ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する運動施設 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
病院、診療所 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
劇場、観覧場、映画館、演芸場 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
集会場、公会堂 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
展示場 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
卸売市場 階数3以上かつ1,000㎡以上
百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
ホテル、旅館 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
賃貸住宅(共同住宅に限る)寄宿舎、下宿 階数3以上かつ1,000㎡以上
事務所 階数3以上かつ1,000㎡以上
老人ホーム、老人短期入所施設、身体障害者福祉ホーム
その他これらに類するもの
階数2以上かつ1,000㎡以上 階数2以上かつ2,000㎡以上
老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センター
その他これらに類するもの
階数2以上かつ1,000㎡以上 階数2以上かつ2,000㎡以上
幼稚園、保育所 階数2以上かつ500㎡以上 階数2以上かつ750㎡以上
博物館、美術館、図書館 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
遊技場 階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
公衆浴場 
階数3以上かつ1,000㎡以上
階数3以上かつ2,000㎡以上
飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール、その他これらに類するもの 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
工場(危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く) 
階数3以上かつ1,000㎡以上
車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合の供するもの 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
郵便局、保健所、税務署その他これらの類する公益上必要な建築物 
階数3以上かつ1,000㎡以上 階数3以上かつ2,000㎡以上
危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物 
政令で定める数量以上の危険物を
貯蔵、処理する全ての建築物
500㎡以上
地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の進行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあり、その敷地が 都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接する建築物 
全ての建築物
(国道交通省住宅局建築指導課編集「平成18年1月26日施行 改正 建築物の 耐震改修の促進に関する法律・同施行令等の解説」(株)ぎょうせいより)

耐震診断から補強工事まで

松尾建設は、耐震診断を行い、その結果に基づいて、最適な補強工法の提案・実施まで一貫した考え方で、耐震化に取り組んでいます。お客様の大切な建物の耐震化について、是非当社にご相談下さい。

様々なニーズに対応した耐震改修が可能です。

耐震補強

「耐震補強」は中低層の建築物に適した制約条件の少ない工法で、炭素繊維シートを用いた柱・梁の補強や鉄骨ブレース・耐震壁の設置等により建築物の【強度や靭性を向上】させます。
また近年では、建物の外壁に補強部材を設置する工法も採用されています。

[(社)建築業協会「耐震改修による安全・安心な街づくり-建築業協会は地震に強い建築物の普及に貢献します-報告書及びパンフレット」を元に一部加筆]

制震補強

「制震補強」は、中高層の建築物に適し【制震装置が地震エネルギーを吸収】して、既存建築物に働く地震力を小さくします。

[(社)建築業協会「耐震改修による安全・安心な街づくり-建築業協会は地震に強い建築物の普及に貢献します-報告書及びパンフレット」を元に一部加筆]

免震補強

「免震補強」は、免震装置が地盤から伝わる【地震力を大幅に低減する】ことにより、建築物に耐震補強をほとんどすることなく、高いレベルの耐震性能を確保できます。

[(社)建築業協会「耐震改修による安全・安心な街づくり-建築業協会は地震に強い建築物の普及に貢献します-報告書及びパンフレット」を元に一部加筆]